「発達障がい」精神科訪問看護での看護師による生活支援と、リハビリを解説

「大人になってから発達障がいと診断されたけれど、日常生活がうまくいかない」

「片付けや時間管理が苦手で、毎日の生活に困っている」

「家族が何度伝えても同じことを繰り返してしまい、どう接すればよいのか分からない」

このようなお悩みはありませんか?

発達障害は、物事の考え方や感じ方、注意の向け方、コミュニケーションなどに特性がみられる状態です。

その特性によって、家事や仕事、人間関係など、日常生活で困りごとが生じる場合があります。

また、ご本人だけでなく、ご家族も接し方やサポートの方法に悩むことがあると思います。

こうした生活上の困りごとには、精神科訪問看護や作業療法士(OT)によるリハビリを利用できる場合があります。

今回は、発達障がいのある方が自宅で受けられる支援について、看護師と作業療法士それぞれの役割を交えながら解説します。

目次

発達障がいでも精神科訪問看護は利用できる?

結論からいうと、発達障がいのある方も、精神科の主治医が訪問看護を必要と判断した場合には、精神科訪問看護を利用できることがあります。

精神科訪問看護とは、看護師や作業療法士などがご自宅を訪問し、精神状態の確認や日常生活を支援するサービスです。

例えば、次のようなお悩みについて相談できます。

  • 片付けや家事を進めることが難しい
  • 時間管理が苦手で生活リズムが乱れている
  • 薬を飲み忘れてしまう
  • 対人関係や仕事で強いストレスを感じている
  • 外出や人との関わりに不安がある
  • ご家族だけでは生活面のサポートが難しい

訪問看護は発達障がいの特性そのものをなくすためのものではなく、ご本人の特性を理解し、暮らしやすい方法や環境を一緒に考えることが大切な役割です。

発達障がいとは?ASD・ADHDなどの特徴

発達障がいには、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、限局性学習症(学習障がい)などがあります。

それぞれの特性は異なり、同じ診断名でも困っていることは人によって違います。

ASD(自閉スペクトラム症)

ASDでは、コミュニケーションや対人関係、興味・行動の特徴などに特性がみられます。

例えば、

  • 相手の意図を読み取ることが難しい
  • 急な予定変更に強い負担を感じる
  • 音や光などの刺激に敏感である
  • 自分なりの手順や習慣を大切にしている

といったことがあります。

※すべての方に当てはまるわけではありません。

ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDでは、注意の持続や行動の調整などに特性がみられます。

例えば、

  • 物をなくしたり、忘れ物をしたりする
  • やるべきことを後回しにしてしまう
  • 時間の管理が難しい
  • 複数の作業を同時に進めることが苦手

といった困りごとが生じる場合があります。

大人になってから発達障害に気づくことも

発達障がいの特性は発達の早い段階からみられますが、大人になり、仕事や家庭生活で求められることが増えてから困難が目立つ場合もあります。

例えば、学生時代には大きな問題がなくても、就職後に複数の仕事を管理することが難しくなる場合があります。

また、周囲との違いに悩んだり、失敗が重なったりすることで、不安や気分の落ち込みなどが生じることもあります。

こうした場合には、発達障がいの特性だけでなく、精神状態や生活環境も含めて支援を考えることが重要です。

発達障がいのある方は、なぜ日常生活で困ることがあるの?

発達障がいのある方が生活上の困難を感じる背景には、ご本人の特性と、周囲の環境との相性が関係している場合があります。

① 片付けや家事がうまく進まない

「掃除を始めても、途中で別のことをしてしまう」

「どこから片付ければよいのか分からない」

こうした困りごとには、注意の切り替えや作業の順序を考えることの難しさが関係している場合があります。

このようなときは、単に片付けるよう促すのではなく、作業を小さな手順に分けたり、物の置き場所を決めたりする方法が考えられます。

② 時間管理や生活リズムが難しい

予定を忘れてしまったり、外出の準備に時間がかかったりする場合があります。

また、目の前のことに集中し、食事や睡眠の時間が不規則になることもあります。

こうした場合には、予定を見える形にしたり、生活の流れを整理したりする工夫が役立つことがあります。

③ 人間関係で疲れてしまう

相手の意図を読み取ることが難しかったり、周囲の音や会話などに強い負担を感じたりする場合があります。

そのため、学校や職場で頑張り続けた結果、自宅では疲れて動けなくなる方もいます。

無理に周囲に合わせることだけを目指すのではなく、ご本人が負担を感じる場面を把握し、環境や関わり方を調整することが大切です。

発達障がいのある方に看護師ができる5つの支援

精神科訪問看護では、看護師がご本人の精神状態や健康状態、日常生活の様子を確認しながら支援します。

① 精神状態や体調の確認

発達障がいのある方の中には、不安や気分の落ち込み、睡眠の問題などを抱えている方もいます。

訪問看護では、日々の体調や精神状態を確認し、必要に応じて主治医と連携します。

ご本人が感じている困りごとを整理し、生活への影響を確認することも重要です。

② 服薬管理・治療継続のサポート

発達障がいに関連して薬が処方されている場合や、併存する精神疾患の治療を受けている場合には、服薬のサポートも行います。

例えば、

  • 薬を飲み忘れてしまう
  • 飲む時間が不規則になっている
  • 薬の効果や副作用が気になる
  • 通院や治療を続けることが難しい

といった困りごとです。

薬の管理方法を一緒に考え、必要に応じて主治医や薬剤師と連携します。

なお、薬の変更や中断は自己判断せず、主治医に相談することが大切です。

③ 生活リズムや日常生活の支援

睡眠、食事、入浴、家事など、日常生活で困っていることを確認します。

例えば、生活リズムが乱れている場合には、現在の生活状況を把握し、ご本人に合った方法を一緒に考えます。

大切なのは、理想的な生活を一方的に押しつけることではありません。

ご本人の特性や希望を尊重しながら、無理のない生活の形を探していきます。

④ 不安やストレスへの支援

仕事や人間関係などでストレスが重なると、精神的な負担が大きくなる場合があります。

訪問看護では、ご本人の話を聞きながら、どのような場面で負担を感じやすいのかを整理します。

必要に応じて、主治医や関係機関と連携しながら、安心して生活を続けるための方法を考えます。

⑤ ご家族への相談・支援

発達障がいのある方を支えるご家族からは、

「何度伝えても忘れてしまう」

「本人にどう説明すれば伝わるのか分からない」

「生活面をどこまで手伝えばよいのか悩んでいる」

といった相談もあります。

ご本人の特性を踏まえ、分かりやすい伝え方や、家庭で取り入れられる工夫を一緒に考えます。

ご家族だけで問題を抱え込まないための支援も、訪問看護の大切な役割です。

作業療法士(OT)による精神科リハビリでは何をする?

発達障がいのある方への精神科訪問看護では、作業療法士(OT)が生活面から支援することもあります。

作業療法士は、日常生活の動作や活動、社会参加などを支えるリハビリの専門職です。

① 家事や生活動作を取り組みやすくする

例えば、掃除や洗濯、食事の準備などが難しい場合には、作業の手順や生活環境を確認します。

そのうえで、

  • 家事を小さな作業に分ける
  • 物の置き場所を分かりやすくする
  • チェックリストを使う
  • 本人が取り組みやすい順番を考える

などの方法を検討します。

ただし、作業療法士が家事を代行するサービスではありません。

ご本人が生活しやすくなるための方法を一緒に考えることが中心です。

② 予定や時間を管理しやすくする

時間管理が難しい場合には、カレンダーやスマートフォンの通知、予定表などを活用する方法があります。

例えば、朝の準備に時間がかかる方であれば、必要な作業を整理し、取り組む順番を決めておくことが考えられます。

ご本人に合う方法は人によって違うため、実際の生活の中で試しながら調整します。

③ 感覚面の負担や社会参加を支援する

音や光などに敏感な方の場合には、生活環境の調整が役立つことがあります。

また、外出や人との関わりに負担を感じる場合には、本人の希望を確認しながら、取り組みやすい方法を考えます。

例えば、外出先や時間帯を工夫したり、疲れやすい場面を整理したりする方法があります。

発達障がいのリハビリは、苦手なことを無理に克服するためだけのものではありません。

本人の得意なことを活かしながら、生活上の困りごとを減らすことも重要です。

なお、作業療法士による精神科領域の訪問支援は、制度上「精神科訪問看護」として提供される場合があります。

ご家族ができること|本人の特性に合った関わり方を考える

発達障害のある方と生活する中で、ご家族が対応に迷うこともあると思います。

例えば、何度伝えても予定を忘れてしまう場合、「もっとしっかりしてほしい」と感じることもあるでしょう。

しかし、困りごとの背景に注意や記憶、情報処理などの特性が関係している場合には、注意するだけでは改善しにくいことがあります。

そんなときには、口頭だけでなくメモで伝える、一度に伝える内容を少なくする、予定を共有するなどの工夫が考えられます。

また、ご本人の希望を確認し、何に困っているのかを一緒に整理することも大切です。

ご本人にもご家族にも負担が大きい場合には、訪問看護師や作業療法士、発達障害者支援センターなどの専門職・相談機関に相談する方法があります。

藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町・海老名市・大和市・綾瀬市・座間市で精神科訪問看護をお探しの方へ

りすの訪問看護リハビリステーションでは、精神科訪問看護とリハビリに対応しています。

発達障がいのある方についても、ご本人の精神状態や生活状況、医師の判断などを踏まえて、支援を検討します。

看護師による体調・精神状態の確認、服薬支援、日常生活支援、ご家族への相談対応に加え、作業療法士(OT)による生活面のリハビリも提供しています。

「大人になってから発達障がいと診断され、生活に困っている」

「片付けや時間管理がうまくいかない」

「仕事や人間関係のストレスで、精神的につらい」

「家族だけではどう対応すればよいか分からない」

このようなお悩みがあれば、ご相談ください。

精神科訪問看護を利用できるかどうか分からない場合も、現在の状況をお聞きしたうえで、相談先や利用に必要な手続きについてご案内します。

対応地域・お問い合わせ先

【湘南エリア】

藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町

りすの訪問看護リハビリステーション

電話:0466-96-0302

【県央エリア】

海老名市・大和市・綾瀬市・座間市

りすの訪問看護海老名

電話:0467-80-2826

お問い合わせフォームはこちら

ご本人・ご家族からの直接のご相談も受け付けています。

発達障がいのある方にとって、暮らしやすい環境や必要なサポートは一人ひとり異なります。

ご本人やご家族だけで抱え込まず、精神科訪問看護という選択肢も考えてみてください。


この記事の監修者

阿南 光一(看護師)

りすの訪問看護リハビリステーション

看護・服薬管理・療養生活支援など、訪問看護に関する内容を監修。

林 理玉(作業療法士)

りすの訪問看護リハビリステーション

精神科領域の臨床経験を活かし、精神疾患に伴う生活上の課題や、作業療法・リハビリに関する内容を監修。

参考文献・情報源

・厚生労働省「発達障害者支援施策」

・発達障害ナビポータル「利用者のニーズ把握・アセスメント」

・厚生労働省「精神科訪問看護指示料に関する規定」

運営:りすの訪問看護リハビリステーション

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